チラシ作成のコツとは?現役デザイナーが教える5つのポイント

チラシ作成のコツ

「チラシを配って集客するぞ!」と思ったけど何をどうしたらいいか分からない。「なんとか作ってみたけど、反応がイマイチ・・・」「修正しようと思ったけど、どこを変えたらいいのか分からない?」ということはありませんか?

チラシは情報を伝えるためのツールなのでデザイナーは、「お客様のお客様にどうすればその商品・サービスを認知してもらえるか」を考えてデザインしています。

なぜならば、ホームページを見てくれた人や来店してくれている人は、たとえ購入に至らなくても、その商品やサービスに既に関心を持っている人ですが、チラシは関心を持っていない人に興味をもって行動を促すために作成しているからです。

チラシにとって重要になのは「わかりやすく」「見やすい」そして「インパクトのある」デザインで行動を促すことです。

今回は、伝わりやすいチラシ作成におけるコツを紹介します。

コツ1.ターゲットをできるだけ明確にする

ターゲットを明確化する

「わかりやすい」「見やすい」「インパクトのある」チラシをデザインするためには、まずはターゲットを決める必要があります。

「誰でもいいよ。子供からお年寄りの方まで全てがターゲットです。」と言う人も多いですが若者が多い店にお年寄りは入りづらいし、女性が多いお店に男性一人ではかなりの勇気がないと入れませんよね。「誰でもいい」というのは「誰も来なくてもいい」と言ってしまっているのと同じようなものなのです。

ですから、効果的なチラシを作るための最初のコツは、「商品やサービスの特性を踏まえたうえでターゲットを明確にする」ことです。

その時によく使うのが「5W1H」です。

Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字をとった言葉です。たぶん小学生か中学生ぐらいで習ったような気がします。

この5W1Hを意識し文章を構成すると、伝えたい情報が明確になり、過不足なく伝えることができると言われています。

チラシのデザインも、つまるところ文字も含めた情報を整理して「分かりやすく」構成するようなものなので、5W1Hで考えターゲットを明確化していきます。

例えば、学習塾の場合・・・
Who:高校3年生
When:春休みに
Where:家庭で
What:受験対策講座
Why:志望大学合格のために
How:比較検討する

料理教室の場合・・・
Who:20代のOLさん
When:バレンタイン前に
Where:家で
What:料理教室
Why:お菓子作りのために
How:比較検討する

美容室の場合・・・
Who:30代の女性
When:リニューアル前
Where:家で
What:新サービス・リニューアル後の店の雰囲気
Why:イメージチェンジの提案をしてほしい
How:比較検討する

という感じでしょうか?

ターゲットを絞れてきた気もしますが・・・。
最後のところが、「比較検討」になる場合が多いんですよね。

残念ながら、このままでは効果のあるチラシをデザインできません。

なぜならば、チラシにとって重要なのは、デザインで行動を促すことです。
なので、最後のHowは「どのように」ではなく
「どう行動してほしいか」
にして考えてみてください。

「来店を促進したいのか? 」
「サイトにアクセスして申込みや見積依頼をしてほしいのか? 」
「電話で問い合わせや予約をしてほしいのか?」

チラシを見た人にどう行動してほしいのかを考えてデザインを作成することが大切です。

コツ2.チラシをデザインするために準備するもの

チラシをデザインするために準備するもの 

ターゲットと伝えたいメッセージが決まったら、デザイン制作に必要な素材や情報を準備していきましょう。

①チラシを構成する文章を作る

チラシに使われている文字情報は主に次のような内容です。
(A)メインキャッチコピー
新聞や雑誌のタイトル、Yahoo!ニュースのトピックス(見出し)に相当します。短い文章で興味を持ってもらうための文章。 
(B)サブキャッチコピー
メインキャッチコピーの内容をより詳しく解説する文章。メインキャッチコピーの次にすぐ読む位置にレイアウトします。
(C)リード文
キャッチコピーを補足し期待値を高め商品やサービスの紹介などチラシを全体を見てもらうための文章。
(D)商品・サービスの内容紹介
提供する商品やサービスの情報を具体的かつ客観的に説明する文章。
(E)店舗・会社情報
住所や電話番号・FAX番号・メールアドレス・ホームページのURL・営業時間・地図など。興味を持ってくれた人に次の行動を起こしてもらうための大事な情報です。電話での問い合わせをしたくでも、表記が小さ過ぎたり、受付時間も分からないことが多くみられます。担当者名も分かれば、さらにいいと思います。ココを分かりやすくするだけでも反応率は大きく変わることも多いのですが・・・・・・・・・
とかく、商品情報などの情報をたくさん盛り込みたくなり、残った小さいスペースにつめこみ申し訳程度になっているチラシがたくさんあります。 

②写真やイラストを用意する 

レイアウトのポイントのところで説明しますが、私たちは写真を無意識にまず見てしまいます。写真をうまく使えば、伝えたい雰囲気を「瞬時に」「分かりやすく」ターゲットに届けることができます。キャッチコピーと一体感があるイメージ写真でアイキャッチ効果を高めましょう。チラシは興味の無い人に対して興味を持ってもらうことが目的ですから、アイキャッチがとても重要です。

「アイキャッチ」とは、「見る人の注意を引きつけること」です。
頑張って考えたキャッチコピーでも文字だけより、写真と組み合わせることで印象を強くすることが出来るのです。
キャッチコピーとの一体感があるのなら写真でなくイラストでも大丈夫です。

また、商品説明のカット写真、店内の雰囲気やスタッフの顔写真で、親しみやすさを演出すことも出来ます。

カタログの写真を転用したり適当なイメージ写真を載せるのではなく、チラシを見た人がイメージを膨らませる写真を用意しましょう。

「顔写真はちょっと・・・」という方は似顔絵でもいいですね。

③手描きでラフを作ってみる

チラシと同じ大きさの紙を用意して、盛り込みたい情報(①+②)を手書きで大まかに配置してみます。

紙を3つ折りや8つ折りしてスペースの目安を作ると、情報量やバランスの確認ができます。
情報量次第では、紙の大きさを再検討したり、WEBサイトで発信する情報との切り分けを考えてみましょう。

コツ3.注目率を上げるレイアウト

レイアウトのコツ

チラシを受け取った人は、ほんの数秒で要るか要らないかを判断します。(0.3秒とか0.5秒とか2秒とか言われています。いずれにしてもほんの一瞬ですね。)
要らないと判断されたチラシは、すぐにゴミ箱行きです。
いくら中身を作り込んでも、読んでもらえなければ効果を上げることはできません。そのために、手に取ってもらう工夫・捨てられない工夫をレイアウトでしてみましょう。

①視線の動きを考える

チラシに限らず、新聞や雑誌にも言えることですが文字情報に接する時の視線の動きには一定の法則があります。人は「上の方の情報から下の方の情報へ」「大きな文字から小さな文字へ」「写真から文字へ」と無意識に視線を移していると言われています。

それでは、それぞれ確認してみましよう。

Z型:視線は左上から始まり、そこから右→左下→右下と動きます。横書きのチラシで全体を見ようと思うとアルファベットの「Z」のように動きます。

視線の動きZ型

N型:新聞や書籍など縦組みのときは、右上から右下に移動し、次に左上から左下にアルファベットの「N」のような動きをします。(チラシ向きではありません)

視線の動きZ型

大→小:左から12345と書かれてあるにも関わらず、文字サイズの大きい順である5に先ず目がいきませんか?

視線の動き(大→小)

写真→文字:文字よりも、お肉の写真の方を先に見てしまいますよね。

視線の動き(まず写真をみる)

チラシのレイアウトにおいても、「見る人の目の動き」を活かして情報を配置していくことが重要です。最初に目にする上部に、キャッチコピーやイメージ写真などを配置して興味を惹きつけ、目の動きに合わせて徐々に細かい情報へと導いていくと、読みやすくなります。

②色や枠でグループ化する

情報をグループ化して整理することで「わかりやすく」「見やすい」レイアウトになります。
グループ化の方法には
 ・関連する画像や文章を近くに配置する。
 ・色で分ける
 ・枠で囲う

色や枠をつけてグループ化する

ちょっとした工夫で情報が伝わりやすくなりそうですね。

③余白を取る

初心者の方が、レイアウトの中で見落としがちな重要なポイントが「余白」です。
伝えたいことが多すぎて文章や写真を詰込みすぎになりギュウギュウなレイアウトになってしまうのはやりがちな失敗です。伝えたい内容に優先順位をつけ、読み手に優しい、ゆとりとメリハリのあるレイアウトを心がけましょう特に、「文字と文字」「文字と図の端」のスペースが少なすぎると見づらくなります。 

コツ4.キャッチコピーを作る

キャッチコピーのコツ

ターゲットの心に届くキャッチコピーを考えるためによく使われる5つのパターンを紹介します。

①具体的な数字型
言葉で説明するよりも具体的な数字を表記した方が説得力が増します。
「実績ナンバーワン」より「100万袋突破しました。」「たくさん売れてるメロンパンです」より「1日500個売れてるメロンパンです。」の方が買いたくなりますよね。

②お客様の声型
人は迷った時ほど他人の意見や感想を聞いて安心したくなるものです。商品の使い勝手や感想をそのまま使ってみるのもいいでしょう。

③常識否定型
その業界のプロであるからこそできる一般的な先入観を否定することでその先を知りたくさせることができます。たとえば「肩こりにマッサージは逆効果!?」とお客さんの思い込みを否定することで見た人は「じゃぁどうすれば?」と興味を引かれます。

④問いかけ型
キャッチコピーで一番強烈なのは「えっ?これって自分の事を言ってるの?」と思わせることです。
日頃から意識している不安や不満を聞かれると人は敏感に反応します。ダイエットに関心の高い人に向けて「皮下脂肪が気になる方に」と呼びかけると注意を引きつけます。

⑤お得感型
「お得」というと、真っ先に思い浮かぶことは「安さ」だと思いますが、それだけではありません。期間限定・チラシを持参者限定・来店や購入者のみの特典など、キャッチコピーに使える「お得感」には、いろいろあります。

コツ5.「見る人の気持ち」になって見直してみる

「見る人の気持ち」になって見直してみる

チラシ作成に必要な構成要素や作業内容の基本的な考え方やコツを解説してまいりました。
その解説に沿ってチラシをデザインしたつもりでも、思い入れが強いと、ひとりよがりになるケースがあります。そこで、完成後にお客様の立場になって冷静に見直してみましょう。

伝えたい想いが、伝わる内容になっているか?
ターゲットに合う言葉の使い方になっているか?
誤解をまねく表現はないか?
情報は適量か?(多すぎてゴチャゴチャしてないか?)
パッと見でインパクトがあるか?
イメージ写真とキャッチコピーの一体感はあるか?
情報の分かりやすいレイアウトになっているか?

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まとめ

チラシにとって一番重要なのは「誰に」「何を」伝え「どう行動してほしいか」です。昨今はホームページやSNSなどが普及してチラシは減少傾向にありますが、関心のない人に情報伝えてくれる有効なツールであることにかわりありません。
キャッチコピーやレイアウト等の工夫によって、チラシの効果を最大限に引出すデザインを作ることが可能です。 さぁ、アナタの想いをチラシで届けてみましょう。